Redefining the World



概要


「栄燿一郎のトマトエージェンシー」、「ケイデン・コタードの脳内だけで完結する展示」、「林ソアレスのエターナル・シアター」、そして「ジョン・ブロッコビッチのブロッコリービレッジ」。 栄燿一郎のトマトエージェンシーは、写真を通じて私たちの日常の中に存在する固有の何かを収集し、ソーシャルに共有する。 ケイデン・コタードの脳内展示は、物理的な空間を越え、観る者の想像力によってのみ完結する非常に挑発的な展示である。 林ソアレスのエターナル・シアターは、100円のチケットがもたらすシンプルな行為を通じて、世界全体を「劇場」として認識する機会を提供する。 そして、ジョン・ブロッコビッチのブロッコリービレッジは、AIによる歴史的な人物の発言や資料の対話を通じて、時空を超えた新しい知のコレクティブを形成する。 普段私たちは、世界の中に投企され、日々を疑なく暮らしている。 しかしながら、世界というものそれ自体の異なる可能性というものをアーティストは提示することができるかもしれない。 これらのプロジェクトは、それぞれが異なるアプローチを取りながらも、共通するのは「世界の再定義」という試みである。

作家 

林ソアレス 

アーティスト。フランスのフルクサスのメンバーでもあったロベール・フィリウ(Robert Filliou, 1926-1987)の主要なコンセプトでありプロジェクトでもある『Eternal Network』に影響を受け、それを現代に生きる林の個人的な感覚としてアップデートしたような作品やプロジェクトを制作している。第一作目として、フルクサスの日常と芸術の境界を曖昧にするという理念とフィリウの永遠性というテーマに影響を受けて、チケットを100円で販売し、もぎった瞬間から鑑賞者はこの世界自体を劇場として捉えることができるようになるというコンセプトの参加型プロジェクトを行っている。

栄燿一郎

アーティスト。トマトエージェンシー代表。2023年8月北海道のとあるトマト農園に訪れた後、トマトエージェンシーという世界中から個人的に撮影された写真を代理で発表するというプロジェクトを思いつく。2024年6月仙台のギャラリーGallery TURNAROUNDにて、様々な方法によって収集してきた1000枚以上の写真の中から選択した100枚以上の写真を展示した展覧会を開催。現在は、主にInstagram上での発表をメインに写真の収集を続けている。

ジョン・ブロッコビッチ

アーティスト。ブロッコリービレッジという、もうすでにこの世にはいない死去した実在の人物の発言や記録を書籍やインターネット、AIなどでリサーチし、その人々による架空の村(Webページ)のプロジェクトを運営している。実在した過去の人物をリサーチしたり時に想像したりしながら、その人物の代理となって、日本語のテキストベースで村の記憶を新しく記述しながらつくっていく。その際フィクションを織り交ぜてもよい。また村の中では時空が存在せず、時系列はぐちゃぐちゃになっている。

ケイデン・コタード 

アーティスト。アーティストではあるが、作品を実物ではなく、頭の中だけで妄想することによって仮想的に作品を制作する。作家名は、チャーリー・カウフマンの映画『脳内ニューヨーク』の主人公の名前から引用している。妄想の中だけに留まらせようとはしているが、普通に生きているだけで、ついつい会話の中に影響を及ぼしたり、他者に影響を及ぼしてしまうことが多いという。妄想の中でのみ架空の展示やパフォーマンス、ワークショップなども行なっている。主な架空の展示に、「One vote for Nirvana Buddha」Ingrid Johansen Gallery(ニューヨーク、アメリカ合衆国)、「Dressing Dressing Song」Meta Emile(台北、台湾)「The day when gravestones become artificial satellites」Medin Kurbanovic(サラエヴォ、ボスニア・ヘルツェゴビナ)など。

坂本嘉明(キュレーション) 

インディペンデントキュレーター。主に芸術を社会との関係性として捉え、経済、贈与、言語、都市、地域などといったテーマを起点に、造形性や機能性が持つ批評性について思考を重ね、現代社会と未来を再考察するようなキュレーションを主に行っている。主なキュレーションに、主な展覧会に、2023年「Fluffy Society」KOGANEI ART SPOT シャトー2F、2024年「救済?」GALVANISE gallery(宮城)など。

会期:2025年2月8日(土)〜2025年3月30日(日) 
時間:会期内の毎週土・日曜 / 11:00~18:00 ※変更の可能性がありますので、最新情報は各SNSでご確認ください 
料金:無料
作家:林ソアレス、栄燿一郎、ジョン・ブロッコビッチ、ケイデン・コタード 
キュレーション:坂本嘉明 
デザイン:柳川智之

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