ミシオ個展「光の束」
この度、私ミシオは今年の6月に、3年間住んでいた石巻を離れて地元の京都府に帰ることになりました。
石巻での思い出は数多く、たくさんの方にお世話になりました。この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
ここでの生活の最後の1ヶ月間を使って、2020年から描き溜めていた絵の展示をします。是非、ご覧いただけましたら幸いです。
『光の束』
2020 年、インスタで知り合ったロシアの人とチャットをした。「小さなところで生きていけばいいよ」と言われた。
皮肉を言われた気がして傷ついたのもあったが、彼のいう「小さなところ」がよくわからなかったので、自分の地元のことを調べたりした。私はまだ恵まれた環境だったが、 自分の出自に部落差別が関わっていた。そしてそこは貧困層や外国人労働者が多く住む地域だった。
些細なものから呪いになるくらい大きなものまで、人は生まれた場所や遺伝、育った環境によって生き方を決められ、可能性とは名ばかりの縮小する宇宙の中に身を晒し続ける。
それなのに、その中で生きることしかできない。それでも、私は閉ざされた可能性に対して抵抗をし続けようと決めた。
この展示は、生きることを突き詰めてゆくための展示。
部屋の壁に穴を開け続け、いつかそこから外の光が漏れ出すことの可能性に身を晒すための展示。
そのうち、ロシアの人に「小さなところも案外悪くないよ」と言えるだろうか。
展示概要